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テロと 選挙と 栄誉の対価



また理不尽な暴力が理を貫き裂いた

もともとぼくは安倍晋三という政治
家をそんなに好きじゃなかった
父親の安倍晋太郎のイメージが
大きすぎたせいもある

だが本人の才覚如何には係わらず
二世三世議員の立ち位置のよさと
運の良さとに担ぎ上げられた神輿と
なって当たり前のように歴代最長の
8年もの長期政権の主役となった
令和の時代の産みの父ともなった

絵にかいたようなラッキーパアソン
だとおもった
そしてまた現代史の歯車は彼を
軸に回ったようだ
こんどは いのち という替えも
後もない無二の宝刀を利かって

運は彼に令和史の殉職者という
かたがき 称号を与えたもうた
本人が望んだかどうかに拘わらず

伊藤博文や原敬 犬養毅 高橋是清

ら 我が国史の教科書の
レギュラーアクターたちと
並らんでおなじように承たられる
【 記号 】となった
前九年の役の安倍頼時や子・貞任
も眼を円くしてるにちがいない

さて空に放たれて フアフア 靄のような
霞みのような感受体に還った彼に
不敬を承知で呼び掛けてみたい
歴史に刻 座 まれて本望ですか
政治家一家に生まれて
思う存分生涯を楽しみましたか?



22/07/08 20:05更新 / OTOMEDA



談話室



■作者メッセージ
どのようなところにうまれても
かならずその立場ならではの
煩悶とジレンマからは逃れられ
ないのであろう。一度発生する
ということは、どんなに深い罪に
まみれた澱沼なのか。

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