戦慄(わななき)
或る夜 穹に浮ぶ黄のバナナをみつめ
わたしは誓いと呪いをどうじに囁く
甼ち カマエル
町で環なを貼る
針りめぐらす
あなたが堕ちて
ガンジガラメニナッテ
わたしの毒牙の餌食になれるように
あいの巣を創るの
尖塔がびょんびょんとせかいを貫く
館を筑づいて大御所=幸宮と
なづけるの
そこへ厭がるあなたを迎え入れるの
わたしのあいという銃器をつきつけ
わたしの思うようにさせるの
わたしの毒であなたの下垂体支配し
襤褸人形と貸したあなたは
わたしの命ずるまま
その肉体でわたしにご奉仕する
そしてわたしの胞子の苗床となって
いずれはわたしの複製体をはぐくむ
楽しいオブジェとなって飾ざり付け
朝いちばんにわたしを楽しませるの
だからはやく
はやくはやく仕掛けに墜ちてよ
わたしの所有になって
わたしを女優に祀りあげて
わたしにいつまでもやむことのない
夏ぜみの絶唱のような高笑いを
綴けさせてよ
そしたらわたしは服はいらない
虚栄心という袈裟だけ心にまとって
あとはすべて晒し者になって
その後を暮らす 瞼ふさがれる日まで