ゴスペル
葬儀まえの夜
ロマネスクが画家のわたしを訪れた
それが切欠でよびだされた夥だしい
インスピレーションの数数
柩によこたわった貴君みの死体みて
わたしは茜ね色の画材をふんだんに
つかい くるったように画期めぐる
馴染のパレットまで気が違ったよう
ペレットとれてバラバラになるまで
木篇の欠つ欠つに薔薇の蔦た巻付け
飽くの予兆に萎えるこころを焚付け
にのうで棘で血を地に煌たらせ乍ら
ギラギラト異様に蜜くびのぶつぶつ
デフォルメした貴君みの屍でっさん
を天井画風にしあげたのさ
これは巨匠画伯模した模ザイク佳作
すると蝙蝠羽と尖がり尻尾をつけた
ミニデモンタチまで染みだしてきて
画上をかれらの糞画材で雅ろどった
ひねもすこれがわたしにとっては
ヘレニズムから漫然とぶらさがり
恋しげが滴りつづける芸術 ムシケ
death