罫線平野
ここに買ってまもないぼくの
大学ノートがある
ひらくとどこまでもどこまでも
白妙の
白紙ページが綴づら織り
ここのホアイトはまるでぼくの
初魂のように漂白無垢
それはかきこまれる直前の
デフォルトディスクで
八方放射線条の可能性、世界線
が束ねられ いざ出帆している
ようそろう
帆を揚げろたかく かぜ窓らえて
しかし待ち受ける先くてには
くらく想い嵐の巣も介間鑑え
これからいろいろな穢がれで
劔るぎつぎと埋め尽くされていく
いつ筋もの雪崩る運命
かわいそうな大学ノートよ
はては忘却の禁咒をまとわれ
都合のわるい邪念の証しの
消却という名のもと燃やされ
四散するのだ
まるで ぼくというそんざいに
とても 似てぞんざい(遜罪)だ