越えちゃいけない宴の向こう
越えちゃいけない一線というものが
ある それをうっかり越えちゃうと
にんげんの息るせかいではなくなる
魔性の網に蜘蛛の餌食のように
掛かり皿らされる ニットの店物に
なってしまうであろう
そんなシンギュラトラウマ
そもそも蔑しろにしちゃいけない
ダイバーシティというものがある
由来を異にするいくつもの人猿種が
からくりんで今があるばあいは
なお皿だ
ホメオスタシスが自動的に仕事して
余分なものをだまってみていても
追い出してくれる 滅斥してくれる
そんな誰にでも都合のいいシステム
所詮ありはしない
諦めの瑞湖みに身ぐるみの水着棄てて漬かるだけのお新香なわたし
すると鎌と窯とを腕に抱えた
死神の永像が半分だけ投影だして
きて横顔のまうえから逆さ釣りに
囁さやく ほらあんたはすでに
パラノイアにかかっているぞ
かかったぞ ぬしっ
それはフェークかもしれないが
たいがいの凡庸人は騙されてしまう
死神くんの姿はその眼にはもはや
マリア像にしかみえないのだ