ポエム
[TOP]
ミョロムル腮タイムズ



おる日の正午を境に
かれらミョロムルは大量に地球に
落ちてきた
カミサマの説明するには
ミョロムルたちはいまこの「地上」
にいる人間とおなじ数だけいて
ひとりひとりの人間と一匹一匹が
そのいのちを共有している仕組み
なのだそうだ

これはじつはカミサマが暇潰しに
はじめてしまった遊び
しかし無論人間は憤激した
おかげで罪のないいのちが喪われ
最初の五時間で1割の人間とミョロ
ムルが同じ数だけいなくなった
ある意味最初にいなくなった人間は
しあわせだったかもしれない
痛みもくぬしみもせず気が付いたら
ただ存在しないことに書き換えられ
たのだから
ミョロムルはべつに害を加えないし
そんなに臭い訳でもない
無関の生態系を改変する訳でもない
ただ人間に近づき寄添ってくるだけ
馴れ馴れしく屈託いてくる本性だけ
ただこまったことは
一定のじかんがたつと彼らは互いに
共食いを始めて半減していくことだ
だからいのちがどうやっても惜しい
往生際の悪い人間たちのあいだで
新らたな沢山のドラマが産まれた
その一つ一つがサーバーに記録され
つぎの新しい社会の聖書になった
さあ 今日十二歳になったきみたちに
神官のわたしからその写本の初典を
さしあげよう
ミョロムルと共栄する人生を
引き続き楽しみなさい





22/04/29 12:30更新 / OTOMEDA



談話室



■作者メッセージ
むるむるする風のおたやかな午後に すはー。ぬう、起きあがりたくない……。

TOP | 感想 | メール登録


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c