ポエム
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レジェンド
だれもがいちどはなってみたいと
身の丈にあわぬ野望をもったこと
ヒイロウに 英雄になりたいと
倭建のような 義経のような
幸村のような 竜馬のような

されど実物大のかれらはじつは
われらと変わらぬ匹夫だったかも
失敗だらけで気性に欠陥もちで
自信も大局感もなく行当ばったり
でも最期に悲劇的な死機を迎えて
かれらのみぢかく太い生きざまは
結実し昇華し講談にご採用
後世の大衆の記憶に刻み込まれる
ことに成功した すわ成功ジン??

そこのあなた、〇Xさんや
あなたも夭逝献身で そうなれる
かも

えっ?別に他者の心に残らなくて
いいよって?ただ消えるって?
摘まらないからそんなこと謂なヨ

いまのその意識体が途絶え暗転し
纏とってた腐く袋が灰素に碎かれ
くうかん票りなす座標に吸込まれ
放散したら百年あとにかくじつに
忘却の平原で露として浮漂する
まあそれもそれなりの風情に
いろどられ完結してそうだけどね

覇道めざして鮮烈に意地っ張り
遺恨も未練もなく曝燦退場
それもあるかたちの英傑伝
(レジェンド)のこさえかた
あとから沸く名も顔もわからぬ
後継種たちはとかくじぶんらを
ひっぽり連れ揚げてくれるような
先達聖典(ばいぶる)欲しがる
ものだから

誰かの真似しないと進めないとは
なんたる器の矮小い連の共よのう
フォッ フォッ フォッ






22/09/06 06:44更新 / OTOMEDA



談話室



■作者メッセージ
当代レジェンドと競らべることで凡庸の匹夫はじぶんの卑だらなさと活きることの薄なさをおもいだセル。

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