お江戸 八・熊の郭嗣壇畳廡
『てやんでいっ!いますっおもてい
でろってんだ!』
墨田の江畔伝いに旧武蔵と下総の狭
間を散策しながら下町踏るいてると
八丁堀やカヤバ町当りの堀辺や佃の
住吉古社境内そばの佃煮本舗とかに
いまでも山東京伝や式亭三馬や
曲亭馬琴ら師弟が培ってたような
大衆読本や錦絵 長唄などの寛政期
エドぶんかが息巻いているのを
感じることがある
それはいわば消えゆく文化達の
消えたくないという最期の抵抗、
疼 き に おもえてくる
すると 背まっ苦しい木彫りの
ウサギ長屋の中から威勢だけいい
怒号が聴こえてくるきがしたり
それもしょっちゅう
『あたぼうよ!こちとらそんじょそ
こらの半ちくたぁ訳がちげーんだ』
あや 八つぁんと熊さんがまたけょう
もさあいでやがる たく困ったもんだ
(おんどれりぁ めちゃいきっとんなー。イッパツしばいたろか?)