遠雷
地平とりかこむ天然のサイオクまで
ハイイロの雲がずっとひろがってる
どんどろほんどろ ごろごろごろ……
どんどろほんどろ ごろごろごろ……
ときおり炸裂する来光 かっく
かっく
魔の予調
仁翁我翁貌おした雷神ユニットの
ティンパニ強打リサイタル開演る
バババン バババン 歯噛みしながら
みぎやひだり所狭しとばかりに
撥ちたちは跳躍し鼓革を揺るがせる
雨 鳴らせる つぎつぎ刺さる雨滴紋
暴風にくわえ龍巻まで巻いて籠って
りうゅうのテイルゥの如とっく
雨下の天地を引裂き凌駕してく
その猟奇 インスタント
遠雷は遙る遙る近づいてきて
わたしたちを掻きむしつて ポイ
刻印を置きみやげに遠ざかってった
事後には雫のタマリバと静寂
滲見だした虹のマホロバと勝者敗者
そして凄惨の記憶をトラウマに伝え
ビル卷さ徨う市民に恐怖を染み込せ
淡すれない 溶けない種蒔いていった
予見できない刹那の訪問者 遠雷
さよう 御 主 し のことよ