ポエム
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南下列車



あなた どこまでいくんですか?

南下列車の車内でお下げの少女に
唐突に訊かれまゆをひそめた

『最南端です。とにかく最南端 。
岬のさらにその先にいきたい。

磯に幕けちる波頭 に問たいのです。
繰り返し繰り返し覇抗かってくる
きみはわたしの逃得ない運命かと。
さかまくうしおと対話しにいく。
いや、誤解しないで。けっして
しににいくわけではありません』

すると名も知れぬ少女はわたしの
耳元へ唇をよせてきて呟いたようだった
「……知ってるよ 」

この南下列車には 希望にむかって
昇っていく魂さんたちがとちゅうの
駅から大勢乗ってくる
みんな宿命おえてあつまってきて
わいわいわいわいわなんかやたら
タノシソー
南のそのさきの産みへと一本一本の
川の支流のように合わさって
つぎの宿膿へおもいを束ねる
一端となるのだ


気がつくと 少女は車掌さんの
コスに身をつつんでいた

「ようこそ宮沢賢治と石川啄木の
蓄ちかった潮密岱へ」




22/02/20 07:56更新 / OTOMEDA



談話室



■作者メッセージ

あっちの方角のマボロシ。
https://youtu.be/QpqXmbPNBt4

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