質問文
言語学者の袴森灸一は
アガバンダガバカバ族の集落に
アガバンダガバカバ語のサンプリン
グにきてあっけにとられていた
アガバンダガバカバ語では通常文と
疑問文には文構造的に何の差違もみ
られずおなじ肯定文を疑問形にして
訊くときは服を脱ぎおもしろいダン
スを踊りながら口ずさむとそのまま
質問文になるということだ
しかも男性と女性で訊くときのダン
スの容たちがそれぞれ違っていて
男性は両手で頭の上に輪をかいて
わーいわーいとばかりに五回ぴょん
ぴょん跳ねるのだが 女性の場合は
更に妙に入っていて股間をまさぐる
ような仕草を三回繰り返すのである
なぜこんな言語慣習になったかと
いうと もともと短命少子の彼らは
発情・排卵期の間隔が異様に短く
求婚の頻度と回数が半端なく夥しい
背後事情からきた習風とのことだ
我々の感覚では珍妙にしか思えない
ことも彼らなりの因果と必然がある
ということの最適解なのであろう
併かしさすがにこの少しのちに
このアガバンダガバカバ語とその
爆笑問題な習風が21世紀末日本で
罰迫的なブームになると予想だにし
なかったプロヘッサア袴森であった