気象化粧
幼少のころ気象の本をはじめてみて
いっしゅん 無意識の電撃が走った
昊(おおぞら)というものはこんなにも
いつでも新しく 映つろうものかと
ときにはこうごうしく超絶
ときには畏そろしげな迫力
ひとにとってはた易く手が届かない
禁制の領域なのかと長く信じたり
だからタイに行くのにはじめて
ジェット航空機に搭乗したときには
世界観 革命起したかのような流転
りりくのときも着陸のときも そう
楽しかったな
いまも国内で安く遠く飛んで移動
するのに窓際わ席を決って陣取り
しろくもくもくとした雲境のなか
抜けてその上の気層にでたときは
地球の空に恋してる自分を感じた
日本アルプスの峻厳な岳峰の
天辺にたつ山小屋みおろしたり
雲海のうえにぽこりうかぶ不二の
アタマ 額にてをあてて恍惚したり
サッキュバスのようにチャームの
バフ 贈けてくるダイナミックたち
そらはいつでもお洒落やさんっ
ときにどハデで厚化粧してる
なのに透っきり 嫌味がないね