こねこね藁戸路
こねこねこねこねここそめそそねそ
むじひに戸締まりされた引戸に
しめだされたこねこがいくども
いくども体当りをしかけている
みぃみぃみぃみぃみぃみぃみぃみぃ
その悲痛な哭鳴は今の所止んでない
ねえいったいどんなバチアタリなことしたの?
問いかけてみてもこつちをむかない
その鞠のような体はすでに傷まみれむごくて眼も背けたいのに少しコミカルな血の玉がハズミカルにダンスしてる 産毛はべっとりと途中までが瞑ぶれ斃れてる
まるで茜黄灰の丸めた彩りタオルだ
絆創膏を貼ってあげようと掴もうとしたらにげられてしまった
握った拳が宙を切る
すこしすると戻ってきてまた媚び訴える ちいさな命から噴出す生の絶張
しかしそれはやがてふいに途絶えた
あとはケダマ うごかぬ元けだものの骸 そのよい臭いをはなつ骸玉を鴉が無情にとんできて嘴に咥え 持ち去っていった 慈悲も同情の余地も皆無
鴉くん らっきぃだな 今夜のディナーはけまみれのステエキじゃないか
慌てて追い縋ろうとしたが その骸の
あった場所に人の元主ぢへの怨みが
吹き溜まっているのを感じ そのばで蘇婆訶となえた微霊を弔う方にした
おまえさ うまれかわったら是非あたしの傍に来い きっと来い
虚空で迷ってたらマヨネーズ
ぶっかけちゃうぞ