ポエム
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『フィロソファア』


アメリカ合衆国が編成した
深宇宙探査隊たる我々は
惑星セイダルでふしぎなのもに
会った


爬虫類タイプ知的生命体?
その双の眼竅には穏やかな知的
思慮の光を宿しているようにみえた
「あ、あなたは宇宙人ですか?」
最初 特殊メイクかとおもったが
ちがうらしい

「おもしろい顔してるね」
隊員の一人が軽率にもおもわず
嘲ざ笑ってしまったが 背丈が
我々の四倍ある彼はべつに
激昂とかせず
月光のごとく我々を見下ろし

『YOU ARE AMAZING TOO
(オマエもオモシロイ) 』

翻訳機がそう訳して寄越した
外見のちがいがわれらとあちらの
間の海峡に微妙な間隙を作っていた

しかしこちらもだがアチラも未知の
我々に多少也の関心をもってくれて
いたらしくそのへんははっぴい

異世界生態との初コンタクトとは
これまでの我々の創作でお互いを
知性文明体とは認識できずに
血で血を洗う殺戮へと急墜する
不幸なパタァヌが山程想像されてた
からね

とりあえず今回の我々はなぜか
たったひとりいた彼にひと塊の
ビタアバタアを贈ってみた すると
かれはそれをヒトクチでペコッと
舐め込み ネヤッ と嗤ってみせた
……ようにみえた

とりあえず最初の殺し会いは回避
したと安堵した のちにかれは
彼らの世界でべつの鮮たな知性を
捜ぐり研究するフィロソファア
に当たる職級の高属だったと識った

さらにそののちにかれら新邂逅
爬虫型種族はセイダル族または
four times race (四倍族)
と称されて我ら米国との二百年
に亘る友好が劇的に開始される
ことになった


しかしじつはかれらとは別の星で
十年前 中華隊が一度初遭遇を
すでに果たしており
そのときは相手を不快にさせ
決裂して接触自体をなかったことに
握りつぶされていたと判明したこと
もつけ咥えておこう

このことからわかるように
他の未遭文明との出逢いには
相手の文化慣習への侮蔑は論外
常に敬意を示して取り組むことが
不可欠だというのが鉄則なのだ

大航海時代以降の欧州とアフリカ・
アメリカ新大陸現地住民との不幸な
歴史が散々物語っているようにね
文明人はこれからのためには
じぶんたちの過去からも少しでも
賢明な道筋ぢを学び続けなくては
ならない


のちに最初の彼 『フィロソファア』
が自分たちの歴史にもおなじような
件だりがあったと打ち開けてくれた
のが救いだった




22/02/12 06:25更新 / OTOMEDA



談話室



■作者メッセージ


ウチュウのトモダチたちはきっと
21世紀のキミタチとの握手を
タノシミにしているハズ。
https://youtu.be/fB2FwfsAAR4
https://youtu.be/x3jI4L-Li-E

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