無残なビニール傘の boogie
先日の爆弾低気圧のときの突風で
もっていたビニール傘の一本を
壊されてしまった
そのときは腹がたったが
落ち着いてみればビニール傘って
結局ただの消耗品 格安でかえる
と ここまで考えて
折角作り出され役割を与えられた
物/存在に対しいかに申し訳ない
意識を持っているか思い直おした
すると無様に破壊されて玄関に
放置されているビニール傘だった
物体(?)が僕の夢枕にでてきて
『○藤クン、○藤クン』
ん? だれだ? ああお前さんか
僕所有のビニール傘だった存在
今はただの鉄の骨と皮の成れの果て
『ヒドイな○藤クン。そりゃボク』
『は傘として使命は終えたけどさ』
うんうん、そのうち丁重にお別れの
参詣を行ったのち棄ててあげよう
『でもキミはボクを使ってる間は』
『ボクの透明の外套を通して滴る』
『雨が潤す聖潤な世界を眺めた筈』
『それでもし少しでも感動してく』
『れたなら詩にしてボクを思いだ』
『してほしいな。それでボクのイ』
『ノチは後に残りヒトによって読』
『んで貰える。無駄じゃなくなる』
傘の亡骸め 随分と一方的な注文をつ
けてくれるなと一度は腹を立てたが
結局その夢枕を健気に思ったボクは
夢で頼まれた通りにしてやった
壊れたヤツは勿論ゴミ捨場で瓦礫駄
末は炙やされるのか埋立地の土か
まあでも雨の時分の感傷呼び起こす
トリガーとして紹介され満足だろう
投稿したこれがその詩一片である