カーミンレッド
カーマイン色した女がすきだ
派手好きでケバいが
ひとりで活きてるかんじする
胸のおおきさはかんけいない
とにかく強烈なじぶんの意思で
時代世紀に浮き出してくる
俺に印象付けようとしてくる
可憐な性器すらそのために使える
その殊勝姦 主張感がすきだ
未来 邦の首相になるような女は
こんな奴でなくてはならない
マドラーとなって大気を
掻き回すおんな
ヘロゥイィン
カーマインカラーは心臓を
とうとつに射してくる
グイグイくい入ってくる
神経伝達化学物質の一腺一糸まで
変えてしまう畏ろしさ
それが時世を動かす女だ
自律した燃焼駆動機関だ
ミレニアムジェネレイトレス
そういう女が美と英智を倶備して
もしもあらわれたなら将こたちは
慶んで機関士 配炭夫 火夫となり
時代の先端でその身を苦難の盾へ
とおのずから焚べるであろう
そこにまた伝承と神話がはじまる
叡典となりいつかおさなごが
寝ころがって精読するような
黄ばんだ古事記すら凌駕する
カーマインいろの背表紙の草子だ