謙虚の経
歳と共に人は傲慢になる
当たり前のことだが産まれた
そのときから傲慢な人間はいない
生を受けたときはだれもが
無垢で受身的で発見者で探索者だ
身勝手だがそれを傲慢とは呼ばない
社会生活のなかでの自分の立位置や
他者に与える影響の大きさを知って
考えてから自己は徐々に傲慢になる
好きな相手と結ばれたいと望むのも
傲慢だ eqaul egoism
永く生きて他者に対し自己の
自信を感じていてもへりくだり
謙虚でいられる人は心善き人だ
賢人であり善人であり人徳者だ
いまの永劫末世にそうあり続ける
ことがいかに至難なことか
そんなあなたたちに謙虚と
自棄を溶くこの嶷経を贈ろう
そこに愛憎はいらない
ただ我欲を殺し御ょすればよい
謙虚で聡明な人物は自動的に
時勢が高神みへと圧し昇げる
頂をみて辿ってきた路を振返り
他者に経験を説諭する顕能を
自ずからと獲る
称号だけの師範は実存には不要ない