フードコート
高度成長期
セナカ越しに 遥かふりかえれば
いまはもううしなわれた
親がつれてきてくれたっけ
最上階のフードコート

そ の
とりかこむ光といろと一緒に
めくるような味のきおくが
ホト ばし 昇って くるよ
海馬のさいおくぶから
脳髄曼荼羅 の まっただなかへ
噴 き出すように
舐め 飴 そぶように
それは回顧の名の噴泉
テーブルテーブルテーブルマーブル
チェアズヒルゥ マウントゥン
オリエンタル アトランティッキ
平皿や濃厚なスパイス 切子風グラス
コォーンポタアジュ
はんばーぐとポテト
ポテト キャロットダイスシェイプ
........スメゥル オリィヴオィル
…… ジュ ルっ 。
おお この綴じられた瞬間だけ
幸福そうに虚つろう
あれはそうだ欺瞞の空間
マーチャンダイジングモール
商業ビルさいじょおおうかい
レストラントゥ ストーア ストーリ
ふいっと フィリッと
蘇えり取戻す鮮やかに魅螺魅螺と
最早や喪われたカゾクの会食記憶
じぶんでだって
カゾクトイウモノ創さえて
再現復元するのがほんとうは
希めだったのに
それはもうね叶わずむだに
瞼塞がり息も心肺も停ります
25/05/16 04:54更新 / OTOMEDA