辻の藤城
ちまたじゃ 華つじが
崎き亂だれ てる朱るい辻角
でも浮かれているムウドとは
うらはらに
フジの提がる棚下は

浮立ちそうになる逸る心を宥め
諌め
内省を伴った沈思への領分へと
いざなう茶室空間となる
むらさきが垂れ
零ぼれてくる
降る癒やし色醒雨め
聴こえる数ずのない
しとしと噺すらも耳帆根に届く
御伽噺の悪戯
かれらはかぜがそよぐと
その気のながれをも美映し魅せる
カガミとなりうる さぃやさぃやと
とてもやさしい
藤棚の麓の部屋の畔とりで
独とり蹲り内宇宙へ潜航旅行する
黄金週の嗜みはとても至貴で絶品