海鳴りの中に霧笛が聴こえる

もうううううぅぅぅ
もうううううぅぅぅぅぅ
聴える
聴こゆる
緩るく弛るるく重く狂惜しく
もうううううぅぅぅぅぅぅぅ
う゛ぅ゛゛゛゛ぅ ぅ
ひさしぶりの土砂降りのなか
渚洲にでたら灰い霧が沖覆い
一麺視界不可なにもみえないよ
もうもくの底奥くから億くの
どん苦しい愚喇叭の値が
ひくくひくく ひくっ… ひくっ
形り響いて感傷に罅゛を淹れて
永くながくトワに延びて幾く
幾千万日......幾千晩年
永劫
ああまた季節境の不安艇だね
つらく
もやもや靄いダマだね
冥い
闇い
まだまだだなあ旭の一番矢は
のびてこない刺さろうと
挑どんでこない
ぼくはこんなにもせっかちで
貪欲なのにな
もしや開花した途端の桜う歌は
この慈悲無きあめで視る機もなく
鳴き宴を汎ろげる閑もなく
散って退ってしまったか
なんてはるの霧情