祝 餐
ふぎゃあふぎゃあと
英霊がおれのもとに授肉した
きょうはめでたい日だ
謳た餉をひらいて
王うとばかりに悦びの儘ま調教しようとしたら
名前きにも反撃されてしまった ふぎゃあふぎゃあと
おのれ!無礼な英霊め
つい無我夢中になってるうちに
り せ い はぢけとび
ついつい巨匠ゴヤの描いた『サトゥルヌス』の境地になった
ダメだよなおれも
折角の英霊は大事にしなきゃオツム撫でなきゃ
つぎのチャンスは当面こない
はんせいしたが蹟の末つり
しかしどうしようかこの卓上に開ろがった
せとない海のような赤白きいろの散濫絵図
かたわらに飾られた松のツリイだけが虚しく点滅してるもよう
やむをえまいと 反省はするが懺悔はしない
折角顕れた燭材をむだにしないよう新しい料理でも創ってふるまおう
名前のつけることのなかった英霊を祝いにきた来客らに
美味いとあんがい歓ばれるかもしれない