グリーン アーチ
こういうひえきった夜半に
夜叉なるじぶんはあえてだかこそ
夏希のきおくを反芻する
貴環のグリーン
なんどもなんども閉じた海馬のなかを
ぐりぐるくるくりと滑る配列
幻聴となって蟲等の楽園の羽音が流れ
鳥宝のさへずりがラピスラズリの
和音と局もなって谺騙まする
わんわんわんという重複摺れる木霊ん
樹精網回に服とわれ地天を転ごかす
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すべからくは冬繭の窟つ螺に
響映き幻わす巧病なトリックトラップ
舎えの蓋外は氷潮の脹令らむ象銘辭
そは麗すくしく霊つかしい
懐つのメモ篇遺と此季の目過実聖道
この
双極の対象がじぶんの閃もちを
調律する微になる敏覧になる
あの
翠碧の鮮烈のなかに
還りたいと逸やる焦もち
それが己の怠惰を恒ね鞭ち打ち
醒んすぱいやしつづける原動機
ゼニェレイターとなっている
緑飾す半球堂