ポエム
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  夜勤姫 
今夜から私は夜勤
港湾の荷役作業が始まる
生活苦に陥ってはや半月
母子家庭となって3ヶ月
別れた旦那はもう帰ってこない
乳飲み児をやしなっていくための
已むを得ない選択肢
職場の夜間埠頭は 昴 昂 としていた
            皓 皓
ガントリークレーンやガントリー船の
まわりには私のような内地人よりも
インバウンドな手稼ぎ女性や漢トコ達が
大勢働いていて何語かわからない
アチラの言葉でおおごえで嬌声を
挙げたり甲高く騒ぎながら労働に
従事していた
あの人達は一体どこからか来訪した
のだろう?
最初はそのあまりの喧しさ、図々しさ、
馴れ馴れしさに閉口し 違和感、嫌悪、
呆れを抑えきれなかったがすぐ慣れた
終いにはその人懐こさ、呆気らかん、
陽気さに癒しまで憶えるようになり
打ち解けた
名を聴かれて私が自分を姫だと名乗ると
すぐ私の呼び名は「ヒメ」「ヒメ」に
なった なかには復帰旧姓の「ヒグラシ」
で呼ぶ人もいた 通し名は日暮翡瞑なのだ
が日勤よりも夜勤ばかりわざわざ択んで
シフトを組んでもらうよう希望するので
   通称夜勤姫
襤褸アパートとこども園に乳児がいる
ことはナイショである
すると顔色の浅黒いアラブ系の若者が
私を処女だと思って言い寄ってくるよう
になりこそばゆさを禁じ得ない反面
  マイッタヨ
いつ現地へ帰国してしまうかわかんない
青年をかわいい娘の継父になんかできな
い 彫りの深い背の高いイケメンでもさあ
でもこんな母子につめたいにほんこくな
いの国土を離れてかれの邦オマーンに移
住してみるのも一つの波瀾の人生かなあ
向こうでも港湾作業位あるだろうしね
そんな私の夜勤人生はまだはじまった
ばかり
ケガだけはしないよう頑張らなければ
赤ちゃんをいきなり孤児にはできない
からなあ....常識的にね












24/11/29 05:19更新 / OTOMEDA



談話室



■作者メッセージ

夜霧にまみれたシジマが 波止場うつろう
ひとにかけてくる魔術、マホーマホー、
マギアスを 歳末に斃おれ掛かるような
灰塗り壁で脚燭して みヨゥヨゥ 。
ぼよ諳んと。
https://youtu.be/lHEts9umQ1A?si=JrLZn-DOeSdX77zA

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