パーシモン !
黄昏れも響び 濃かまり フユ兆おい
洟んくん
秋味覚と日本のココロ舎さとのシンボル
柿
私には一緒に暮らした姉の記憶がないが
柿の実はまるで姉そのものの存在感だ
ツんと澄ましたオシャマなレモンやくっ
たくのないコロコロ林檎のいもおとたち
あばたソバカスな蜜柑たちとくらべると
伸ばしきったじぶんの腕のイチブのよう
栗はなめぃきな弟
パイナップルはいかめしい親父、痛い鬚
メロンは調和五十年代の母
スイカ、縁側でいつも甚平で蚊祓いして
る翁いちゃん という古メモ離散乱してる
すこしは形ずけなきゃな
だけどねえちゃんは特別なんだ
柿さん! 姉さん!
迷々って人生のまがり角でしゃがみこみ
荒らい呼吸を瀕死亜でつなげているときの
今もうしぬかもしれないパニック障害中の
私の前にころがってきて心配気にみあげ
先に立っててをさしのべ召ねいてくださ
い どうかこの肺を宥めるよう囁き乍がら
パーシモンパイ
パーシモンナイト
パーシモンスクレーパータウンの
諸露灯たちよ
橙橙の照明がLEDに敗けずにあちこち
で明滅してくれてる いまを見過ごせない