公孫樹株珠
この時期になると
アスファルト路面に コロコロココロン
ころがったりブ チャット つぶれてたり
イチョウの実のまん球るたちが
思う存分に独壇場中
おかげですごい臭い
田舎の酪農農場から舞踊だよって
通りすがりドライバーの鼻腔を刺戟するアレ
アレアレアスレスレ美醜の橘ついスフレ
秋のかおりだ
あれは実の肉筋身！じゃなくて
おおう革環に酪酸とエナント酸の成分が
含まれていてとりわけ酪酸(ブタ ン酸)
は脂肪が消化分解される過程で生成され
るのでおしりからでてくるへと同じ堕臭
になる巧緻満つなる因くみ
でも秋の紅葉歩道にこの薫りただうるお
ってないと物足りなくなるから慣れって
侮などれない
アドレナリンの皺わざ作用も聞いてくる
えっなに。ぼくが惡いの？
春先のこぶし、梅桜の臭いや、まなつの
磯渚うしおだ薫りも節句謡りにかかせな
いが秋のオ・ナラニオ・イもれっきと
した風物詩
ニライカナイネラヤカナヤ輪廻転生
コロコロココロンと廻輪って素殿の壷に
すぽんと浜まり収まる、雲どる包装く
やあ！詩吟パワーでシーズンをイメージ
させる匂いの芸術まで蘇みがらせられた
ら吟弁士の本望なんだけどなあ
くんくんくん
ふんふんふん
うう やっぱり禾ぎ焚火痕の焦げたフウミ
夕 膿 実
陽傾たぶく降だり坂かのふうぶつし
えまき繁巻物、恵方巻のあざとさ
