西郷の撫もり傘く森り
幕末開国の英偉傑
吉之助はいちど死んだ
国父久光公に疎とまれ
参拾 という夭かき年齢の機節にも拘らず
攘夷派の要人月照老人と心中を図って
入水したものの老人のみが命を落とし
自身は蘇生し放置した命を拾い上げた
覚悟のあとの死の淵を跨いだ一埃の聖蹟
切迫の急を告げる時勢がかの者をこころ
からか欲したからか
それらを境いにそれ迄の生様を革しない
捨我へと逆載転回した死生観の偉大な
『 目 醒 め 』
射し込む暁煌
不自惜身命
父位置のように婆娑羅菩提のように
すべての弱者を堤 罪 みこむがごとく
あまりにも 巨 お き な
懐処衣ろと抱擁性はここに基因づく
巨 星
瀑噴を威風堂盛に昇らせる 桜くら 島 ま
どぉーーん
どぉーーん
どぉーーん
隆か盛りの鎮星器館はここに 誕 まれ
いまも 譚むがれて活き繋づけている
そのみずのように濤みがごとき 系譜
係累
鎮づめうなぞこに穿った錨に護られた
その鍾しかな確定
先鋭を務める橙明の灯かり
めったに相もてには顕ないけれど
ひとのこころの梯子を点たって
網みとなり民れらに被守ぶさっている
その理条に永 がく 毅よ く
揺さ ぶられている民たしたち
衆れらは 寡黙くに 抱楼閣もられている
この末夜のいまでさえもい未だ