禾火の卦配
カナカナカナカナカナカナカナカナ
カナカナカナカナカナカナカナカナ
カナカナカナカナカナカナカナカナ
カナカナカナカナカナカナカナカナ
音シグレの雨降り
晴れているのに きょうも暑いのに
朝焼空に 夕暮れに
ヒグラシゼミが揃謡している
裳の哀なしく 涼づ悲しげに
カナカナカナカナカナカナカナカナ
あちらともなくこちらともなく
鈴の輪唱がまはりハ毬り覇ろがってゆく
綱ながっていく 網の目もようを成す
ああ 禾火のけはい
ふどぅ風に 譜ぅに 芒すきが揺れる
ユレ
アワダチソウタチもダェァンスする
群舞 群舞 素朴だが豪奢
月の出ももうすぐ街ちどうしい
陽が仄たぶいて朱妬けのおそらに完全に
仕舞った
痕 と に は ただ 烹敷き 西の錦き
なつからあきへ なつからあきへ
ぼくやひとが個体何羽ともしんでも
ちきゅうが死に たいようが冷め無い限り
この奇蹟ともいえる梦眠りむからは
ひとは褪めることがないけっして