扉があった
夜の闇の 底に への唯一の通路
づっと
捜していたのがココなっつ
とうとうみつけた
じんせいの黄昏部屋のなかに



ここからはかの 魔王が敷いたなわばり
バヌアツもボツワナも
辿り着けなかった大地にいだいた口惜さ
コノヤロウ

もういちど
落ち往く奴に向かって聲を荒らげる


コノヤロウ！


なんどくりかえし
指を差し伸べ求とめても
ツルリとゆびまから
滑べり落ち
逃がしてしまう逃亡犯(オマエ)
にげても
にげてもにげてもにげてもにげても
にげてもにげてもにげてもにげても

球体のうらがわまで
執つ拗うに
追うよ
うでがあしがたとえもげても


因ん縁んの由からだけで