martyrdom
ふいにうかびあがる心象の丘
そうか!
リセットされたときはくるきっとくる
だからだ
此処炉の平局に風(か)澄むオカを航ろう
涌現むの湯菜がとこしえ輪きいづる
湯の原湯の溟みめざしてつづくたび
使い棄ての足袋事
擦りきれない記憶はない
うすまったら滓すれたら一新される
蘇生させる
咏み替え
移りゆく世紀に旧い世紀は恒ねに
上書きされ我々自身の存在記録も
埋もれて肥土になっていくだけなの
だから憂うのは詮無き誼
縛なしまず 怒からずぼやかず
ただ気流のあいだを抜けて透って
俘虜力に身を托せて浮いて昇がる
じゆうなたびをしよう
きがつくと並びのレーンのなかに
いつか視た朋もがいてさし伸べた
掌をとりあって頬をさすりあい
背をあずけ合うそんな出遭いもしよう
没みかかったジダイという難破船の中
數めて散巻きのうえだけでも