配管姫
茅硫魔師児は配管姫だ
カノジョは地表のない衛星メトメテの
上ともなく下ともない地中の中に
支配層の赤ん坊大ボオルたちの
通うテラグラウンドウェイ配管網を
築いて張り巡らす任務の
労働層隷ンジャだ
六角スパナとボルト片手に
今夜もドロまみれになり
パイプとパイプとパイプとパイプとを
ひたすらひたすらひたすらひたすら只管
繋ぎ続けて延長していく
それが矜持で意地だ
カアサンから引継いだ雌種の世襲使命だ
大胆に
虫き出しのはらの窪みに
あせが吸い込まれていく
ほら
支配層のボオルたちは
魔師児に御礼も謂わずにただ
転がっていく
一体何に忙しいんだか
被支配層のカノジョにはわからない
けどね
『ただねじって繋いで延ばしていく
だけよ。うん。たいしたことじゃない。
全てはドライバアの+とネジ頭のーが
うまく組合って偉大な目的のための
働き(仕事)が始まればそれが俺たし自身の
存続意義になるだけのことなのよ』