採転盤をまわし
車る 車る
糸車も引っ歯叩き
春先の詩集をぺらぺらめくり
敷 織をはずす
かならずいちどは欠っかかり
滞まる謎
そこには 昏れない と黄の
刺繍と死臭が目に入った
鼻腔をついた つんと ふふん
花粉に混ざった有害細菌が
わたしの体内に侵入し
侵掠をかいしする
hay fever ヘイフィーヴァー
まいとし同じように舞わる
栽転盤をゆびでたどりなぞり
姦わしてみる
何と運命や生涯を模した双六
ボオドゲエムだよ
ウンメイを卦らない 稀少の確率で
福運を導くと錯覚させる
ああ ひたいのうえを
耳朶のななめげをすりぬける
風がささきやとともに持っていく
わたしの気怠るく
自壊に引き摺られやすい緩傷を
ファルの禍らくれ統 計室に
林の天井から芽をみせた蔦棘が
述べて 摩すり薪きついて
お接ぎの新章象限への梯しを
架 け る
冷脈に囲まれた宴餉の温くさだけが
もじのない詔とのりだけで
そを 証 かす