焚火守りの洋画
もしも俺にこどもが産まれたなら
きっと『枯草』と名付けていただろう
予見される不幸をすべて名の忌み
言韻まに押込めて塗込めて
妖怪たちを祓い寄入れない力を負わせる
これらも小さきものへの愛いやりかな
郷の野中で蹲り
しろくくもる息を指で掻きあそびながら
焚火のめんどうをみていると
きたかぜひときわみにしみる
こんないなか焼き放なして
とうきょうに行きたい
日本橋のこうこうにいきたい
総理になって
あしのわるいお袋と
すみやきのしすぎで咳込みひどい
親爺のおやこうこうというものいちど
してみたい
そんなことだけ想う小学生だったのに
俺のなかのレンズのなにが屈折して
こんなばかになり酒樽で泳いでんだろ
無精髭と面皰だらけの在まの俺って