ポエム
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お便りします。
平日のお昼
 都会の風を
  掻き分けて

口笛を吹きながら
渡り歩く強がりを

電線から
 見下ろす
  黒服の輩‥

ゆるーく
 ぬるうーい

生き方に

アホー? と
 鳴かれて
  みたものの

痛くも痒くも
 ございません。



拝啓、母上様。
ご無沙汰しております

お元気でしょうか


ふかす煙りを
 投げ捨てて

路地に湧き立つ
 蚊柱を払いのけ

あたりメを
 噛みながら
  脇の道へと

いつもの公園の
 角のベンチへと
  魚にエサやりを‥


あのぉ~
 母上様、

   公園のお魚は
  バーチャルで
 餌の一粒一粒
4円なんです。

この魚

よく
食べるんです。

ありがね全部
 食べるんです。


癒される
 つもりが‥


おッ!

目の前を
魚が群れで
通過してゆく!

やっとかよ‥

え?なに
 この展開

あらら‥
だめだこりゃ。


熱くなれば
 奈落の底へ

近所には画廊も
 あるんですがね、

絵を見るのにも
お金が掛かるんです‥。


かに道楽は
 夢の又 夢
  泡 と消え‥。


母上様

オケラで
ございます。

財布の中は
 からっ風‥

やはり世間様は
 冷うございます。

あぁ

せちがらい
 世の中へと
  なりました。



それとですね、

先日送って頂いたお野菜、
 とても美味しかったです。

ありがとうございました


あとお身体、大切に
御自愛してくださいね

では
このへんで‥



敬具。



20/06/28 18:46更新 /  老女と口紅。



談話室

■作者メッセージ
作:2009年10月28日(水)

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