ポエム
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夏色の予感
国立公園の石畳
 繋ぐ手と散歩道

陽炎の 立つかの
熱量にうながされ 

辿り着いた
 大樹の元で
  喉に潤う水


木洩れ日に
つつまれた二人


六月の風に揺れる
四つ葉のイアリング

私のうつむいた
大きな麦わら帽子に

優しい彼の手が
 髪 たぐりよせ

引かれたこの身の
 かかとが浮く時

麦わら帽子の中の
君の瞳に私がいたの

その瞬間

音と光は
 息を飲み

時と風は
歩みをとめた‥


唇がゆっくりと

甘く切なく
 濡れてゆく

震えた吐息は

麦わら帽子と共に
夏色の風に流されて

広い胸へと
 沈みゆき

こぼすことなく
 あますとこなく

つつまれて
 つつまれて私‥



時よ
お願い

もぅ少しだけ
 このままで

 このままで
   いたいの‥




20/08/14 05:48更新 /  老女と口紅。



談話室



■作者メッセージ
作:2008年04月20日(日)

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