ポエム
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晩夏
-今宵の月夜は
  晩夏を照らす-



夏の終わりが寄り添う
 指先絡めてなぞる砂浜

二人の軌跡は
 思い出という
  金貨と深海へ



波はすぐに
二人の記憶を
消してしまうの。

でも

あなたは見つめ合う瞳
重ね合う唇を思い出に
    したりしないで

溢れ出す不安の涙は
 海へとこぼさない

だから
 お願い‥

つないだ小指は
離さないでいてね



潮風に揺れる
 ワンピースと
  小枝の髪飾り

更けゆく夜の

さざ波と星明かりの元
静かに絡む素足と鼓動

熱く砂浜に
沈ずむ身体に

乱れたものは二人の呼吸
繰り返すのは 波のリズム



晩夏の夜に
永遠を求めた

彼女の
 切ない
  ひと夏。





      



20/08/14 08:04更新 /  老女と口紅。



談話室



■作者メッセージ
作:2004年11月05日(金)

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