あなたの生命線をばつんと裁つ　もう縫いも結びも…
血の雫が一つ落ちた　あれが地獄
地獄へ嬉々として飛び込もう　
ああ地獄へ　蜘蛛の糸も届かぬ地獄へ　傲慢な光明が檻へ押し込められた地獄へ　

追いかけたい

赤熱の空に狂雲は駆け廻る　けれど彼岸に狂い咲く花は音も立てずしかし静寂すら纏わず、あるがままを歪めている
花の墓を暴く　爪を立て土を掘る　手指の出血を促す様に土を搔く　茎の先端に華、もう先端に頭蓋があることを知っているため　
あなたの死に咲いた花か花の弔いにあなたが添えられたのかは知らぬ
知らぬが倒れた影は憶えている　思ひの色も　飛び散る風の匂いも　だから墓に贖罪の流血を

花は萎び枯れ果て腐って落ちた　見透かされていた　浅ましい血の色　罪悪に潜み悠々と泳ぐ享楽を　絶望する　しかし　絶望すらも毒気色の遊戯であった

夢から醒め一つ欠伸をした　つまらぬ部屋に怠惰のみが在った