ベッドに横たわる
あなたはまるで眠り姫
覗き込めば静かな寝息

会いに来たよ
何度かかけた言葉
あなたはゆっくり現に戻る

だあれ
目覚めたばかりの瞳
わからないまま不思議そうだね
まだ夢に取り残されて

朧な眼差しに微かな光が
灯るのを待ちながら手を握る
撫でた指はまた細くなって
力なく布団に包まれている

いつ来たの
誰と来たの
じっと目を凝らした後
あなたは私を見つけた

かすれた声
乾いた唇
迷子のように心細げで
さみしさの分だけ涙滲ませて

さっきだよ
聴こえる？
答えはあなたに届かない

いつ来たの
誰と来たの
また繰り返される言葉

あなたとの会話は
置き去られた失くし物のよう
心の隙間からこぼれて
忘れてしまう

叶うならあの頃という
幸せの国で暮らせたら
そんな世界が欲しいけど

いつ来たの
誰と来たの
切ないリフレイン

私たちに許された時間は
短すぎる雫の一滴
落ちてしまえば別れが来る

一緒にいられなくてごめんね
ひとりにしてごめんね

会いたい
あなたが呟いた
それはきっと懐かしい人
子どもに還ったあなたが
本当に手を繋ぎたい人

記憶は埋もれたタイムカプセル
そこにあるけど開けない
忘却があなたを救うなら
思い出ごと抱きしめるだけ

いつ来たの
誰と来たの
何度も何度も繰り返した後
不意にあなたは私を見つめて言った

来てくれたんだ
ありがとう

わかっていてもいなくても
そのひと言で私の方が救われた
そして切ないリフレイン

あなたの中で私は
今も変わらず家族ですか