ポエム
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あの日の海
観音崎から見下ろせば
今日の海は紺碧で
風が白い波を寄せる
沖にはたくさんの船の影
あれから1年経ったねと
語る言葉に思い出がよぎる

去年はみんなで来たんだよね
海が見たいと誰かが言って
車に飛び乗ったっけ
いつものドライブいつものコース
お気に入りの曲をかけながら
三浦から葉山を周って湘南へ

始めはふたりでよく来てた
家族が出来て4人になって
そして今はまたふたり
時間が経つのは早いね
ふっと洩らすとあなたは
最初に戻っただけだよ
そう言って明るく笑う

そうだね
その一言で心に浮かんださみしさは
カモメのように飛んで行った
それぞれが船出の時を迎えて
別々の水平線を目指したんだ
それは川の瀬のように自然なこと

あの日一緒に見つめた海は
キラキラ輝くエメラルド色だった
爽やかな風が吹いて空がとても青かった
いつだったか
どこだったか
覚えてなくてもいいけど

あの波がとても穏やかだったこと
あの色が見たこともないほど
きれいだったこと
それだけは
覚えていてくれるかな
いつか話せるといいな

楽しかった
素敵に晴れた一日だった
私たちが家族だった頃の
かけがえのないあの日の
海はとてもきれいだった

ねえみんな
ほんとにきれいだったね



24/07/20 21:50更新 / 香弥



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