ポエム
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盆の月
また夏が来た
梅雨の紫陽花
終われば百日紅
今日から七月盆の月
迎え火焚いて一緒に帰ろう

あの日から何を頼りに生きただろう
心の穴はぽっかり大きくて
風が吹き抜けると寒かった
おひさまのようなあなたを思うたび
僕の空は雨になり
なんだかね
いざという時の丈夫な傘を
失くしたみたいだったよ

子どもの頃はあなたが怖かった
いつも叱られてばかりだったよね
だけど次第にあなたは
僕より小さくなって
やさしい老人に変わった
丸めた背中に人生をしょって
いつも懸命に生きてたね
それがわかるくらいには
僕も年を取ったみたい

何を頼りに歩いたのか
時は降り積もり遠ざかる
たくさんの人たくさんの手
誰よりあの人に助けられながら
幾つか山を越えたと思う
幼い頃はわからなかった
家族の歌が今は胸に沁みる
ふたりの背中はすぐ前には無いけど
遥かな肩越し青空が見える

また夏が来た
梅雨の紫陽花
終われば百日紅
巡る季節はとても早くて
今日から七月
そろそろ準備を始めよう
もうすぐ迎え火盆の月





24/07/01 07:45更新 / 香弥



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