菜の花が好き

君が言った

流れるテレビの画面を見つめて

懐かしそうな声だった

君の心の中できっと

菜の花はやさしく揺れて

眩しくきらめいて


それはいつかの春のメモリー

魔法のようなレモン色が

君の時を止めて

胸を締めつけたのかい

多分そこに僕はいない


夢見る君の眼差しの先

菜の花が揺れる

幸せな思い出かな

好きって言ったから

幸せな思い出だったらいいな

ちょっとさみしげな声だったから


菜の花が揺れる

吹き抜ける風の丘で

ゆらゆら

ゆらゆら

寄せては返すレモン色の波

春の日差しを吸い込んで


いつなのか

どこなのか

それはきかない

ただ呟いた

きれいだね


夢見る君の眼差しの先
　
レモン色の波が寄せる

菜の花のイエロー

幸せな思い出ならいい

少し切なくても

幸せな思い出ならいいね

多分そこに僕はいない