侘梅
ときめいて
訪ねた園に花は無く
鄙の都はひとひらも
香り残さず散りぬるを
僅かに見える蝶千鳥
色も匂いも攫われて
見頃はいつとおぼめかし
風の気まぐれすれ違い
時を逸した侘梅の
花の心は知らねども
叶わぬ逢瀬のさびしさに
しだれの枝先揺れるごと
頭(こうべ)を垂れて後追いの
梅散る園を離れけり
訪ねた園に花は無く
鄙の都はひとひらも
香り残さず散りぬるを
僅かに見える蝶千鳥
色も匂いも攫われて
見頃はいつとおぼめかし
風の気まぐれすれ違い
時を逸した侘梅の
花の心は知らねども
叶わぬ逢瀬のさびしさに
しだれの枝先揺れるごと
頭(こうべ)を垂れて後追いの
梅散る園を離れけり