ひと雨ふた雨濡れながら
河津桜が紅く咲く
ひと雨ふた雨止むたびに
弥生の空は明るくなって
ソメイヨシノの春になる

今年もいつもの公園へ
花待ち顔で通いましょう
並んだ桜を見上げて探す
どの木が最初に咲くかしら

あたたかな日差しを浴びて
上に伸びてく枝先の
尖った蕾が膨らんだら
ある朝静かに綻ぶの
小さな小さな花一輪

はじめまして桜さん
あなたが一番早いね
話しかければ頷くように
震えて見えるのは風のせい

初めて見たときはまだ若く
ひょろりと細い木だった
一緒に年を取ってきた昔なじみと
こっそり挨拶交わして笑うのよ

巡る季節を追いながら
いつか追われて春が来る
満開の桜の下に人が集い
薄紅色の花陰で
微笑む姿が浮かびます

ひと雨ふた雨持ちながら
ソメイヨシノにあと少し
咲いて迎える春爛漫
どこでもみんな桜笑み