扉を開けて中に入ったら
寒々しい玄関何も無い
家中空っぽで何一つ無い
古びた畳だけ敷いた部屋

４人家族で暮らしてた
この家こんなに広かったっけ
狭くて物がいっぱいの
小さな家だと思ってた

台所を覗くとあの人が
今にも迎えてくれそうな
そんな気がして切なくて
涙が滲んで来たみたい

割烹着を着た賑やかな母
居間に座った無口な父
幻でいいから会いたいな
遥か昔のあの笑顔

明日鍵を渡したら
ここにはもう来れないね
だから最後にもう一度
扉を背にして声をかけた

ただいま
お母さん
お父さん
お別れをしに帰ったよ

だけど言いたいのは
さよならじゃなくて
ありがとう
懐かしい我が家

ありがとう　
ありがとう
大好きな我が家