ポエム
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七国山の四季
秋の景色に会いたくて
七国山を訪ねてみた
道を辿って鈍色の
水を湛えた蓮池へ

夏には清らな淡紅の花が
夢のように咲いていた
今は朽葉が頭(こうべ)を垂れて
黄色の影が重なるばかり

暗い木陰にひとつだけ
見えた気がした小さな明かり
それは可憐に咲き初めし
冬の香りの寒椿

そぞろ歩きの水辺の端
ひっそり佇む細木の先に
春と見まごう花開く
二度咲く桜があるという

雲の切れ間の寒空が
やさしい光を下ろすとき
日差しの中の楓たち
秋の顔して微笑んだ

七国山を訪ねたら
春夏秋冬に会いました
季節は巡る走馬灯
時は移ろい追われて消えて

夢のはざまに風が吹く
今日という日の風が吹く




23/11/13 22:13更新 / 香弥



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