晴れた朝のベランダに

ふわり芳しい風が吹く

どこから来るの？

見渡すと鉢植えのビオラが目に入る

屈みこんで嗅いだら

今まで気づかなかった

香りがした

秋の終わりにやって来て

寒さに負けずひっそり

咲いてくれてたビオラは

この頃鉢の中で

少しずつ仲間を増やしてる

それぞれの色に

それぞれの香り

紫の花はやわらかな木綿

ピンクはすっとさわやかなペパーミント

黄色はちょっとつんとするはっかに似ている

顔を寄せると小さな子どものように

可愛らしく私に笑いかけ

仄かな香りで包んでくれた

今はまだ２月

もっともっと長く明るい日が差して

輝く季節になったら

このベランダは

花園みたいになるかしら

風に乗って道行く人にも

香りが届くといいね

素敵な予感にわくわくしながら囁くと

頷くようにこくんと揺れる

冷たい空気漂うベランダで

微笑みあった

春待ち顔のビオラと私