冬の桜が寒さの中
固い蕾をつけて
見えない春を待っている
花が無くても眺めれば
やがて咲く日が浮かびます

ねえ　
桜が咲くように
毎年会えたらいいのにね
面影やさしい花の姿で
季節をひと巡りするたびに

冷たい空気が残る3月
和らぎ始めた日差しを浴びて
最初の蕾が綻ぶとき
あなたを見つけるの

待ってたよ
あなたを見上げて囁くわ
あなたは薄紅色の笑みを湛えて
今年も来たよと頷くの

蕾は次々花開き
あなたの笑顔は大きくなって
全部咲いて風が吹いたら
はらはらと花びらを散らして
私に触れてくれるわね

嬉しくて
嬉しくて
その頃にはハナミズキも
咲き始めて
春が私を包んでくれる

花吹雪が舞って
全部散ったときは切なさが
心をよぎり私は目を閉じるでしょう
だけど来年も会える
そう願ってまた見つめるのよ

周りにはきっとたくさんの
色とりどりの花がいて
愛しい命の輝きが私を
励ましてくれるはず
空を見上げて歩いて行けと

毎年
毎年
季節が巡るそのたびに

■作者メッセージ
厳寒の中でも桜は固い蕾をたくさんつけて
空を見上げています(^_^)