仕事帰りにときどき寄る
お気に入りのカフェが閉店する

疲れたとき　まっすぐ帰りたくないとき
「しょうがないなぁ　ここに居なよ」
そんなふうに私を迎えてくれる店

カウンター席に座って10分か15分
ぼーっとしてドリンクを飲む

暑い日はアイスコーヒー
寒い日は温かいカフェオレ

飲み終わったら　よしっと勢いをつけて
帰る
そんな時間が失くなってしまう

ドアに貼られたお知らせの紙
今月末をもって閉店します
淡々とした文章が妙にわびしい

中に入って見渡すといつもの風景が
勉強している学生さん
新聞を読んでるおじいさん
楽しそうにおしゃべりしている二人

みんなと一緒にこの店の一部になって
ガラス越しに空を眺めるのが好きだった
いつの間にか頼りになる安らぎの場所に
なってたんだ

これから私どうしよう
この人たちはどうするのかな
同じようにがっかりしているかしら

閉店まであと三日
もうすぐさよなら

小さな幸せを貰ってた空間
変わらぬ毎日を送る潤滑油だった
ひととき

大好きな私のコーヒーブレイク
今まで元気をありがとう

今日は少しだけゆっくりしよう

■作者メッセージ
あれから数カ月、今はコインランドリーになっています(-_-)