１５の春はさみしくて
１５の歳には家を出た


ばあちゃんがしてくれた
昔々の思い出話
学校に行かないで
働いたこと

昔の１５は大人なの？
ううん昔も１５は子どもだよ
食べるためだよ　しょうがない

親元離れるのは辛いけど
仕事があるだけましなんだよ
何でもやらにゃあ暮らしていけん

帰りたかった？
休みはあんまし無いからね
辛抱たらんと思われるでな

帰るときゃ楽しみで
お土産持って行ったけど
弟妹いるからね
そうそう親にも甘えられん

静かに話していたばあちゃん
いつもにぎやかなばあちゃんが
そのときは笑ってないの

だからね　ばあちゃんは
さみしいのなんかへっちゃらなんだよ
ばあちゃんは胸を張った

いつも元気なばあちゃんだけど
その頃はお布団かぶって泣いたのかな
僕と同じで

ばあちゃん今はさみしくないよね
言ったらばあちゃんは
さみしくないよ
頑張ったから今はいっぱい好きなこと
してるよ

そう言ってすきっ歯見せて笑った
そうだね　ばあちゃん
じいちゃんと旅行したり
友だちとご飯食べに行ったり
好きな事いっぱいしてるね

１５の時から働いて
いっぱい苦労して頑張ったから
いいんだよね　遊んでも

僕は１５になったら高校受験かな
学校好きじゃないけど
今日も休んだけど高校は行きたいな
さみしくても頑張ったら
へっちゃらになるかなぁ

学校が嫌で休んだ日
ばあちゃんがしてくれた
１５で住み込みで働いた話

強くてあったかいばあちゃん
ひまわりみたいなばあちゃん
今は写真の中で笑ってる

しんどいときは思い出すんだ
ばあちゃんの言葉

いっぱい頑張ったから
今は好きなことしてるよ

そうだね　ばあちゃん
僕もちょっと好きなこと
出来るようになったよ

僕が頑張れたのは
あの日のばあちゃんの
おかげだよ

■作者メッセージ
昔々の思い出話がモチーフです。
お読み下さりありがとうございます(^_^)