ポエム
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ハナミズキ・カンタービレ
今年もハナミズキが
明るく四季を歌ってる

可憐な花の姿は知っていても
美しく紅葉する姿には
ちっとも気づいてなかった僕
いつか君が教えてくれた
秋から冬のコンチェルタンテ

初々しい花咲くやさしい春を過ぎ
緑の夏を見送ると葉の端に
小さな変化が訪れる
朝の空気の冷たさに
急ぎ足で色づく木の葉たち 

やがて秋の絵の具に染められて
大きく広がるハーモニー
葉陰から見えるたくさんの実が
日に日に紅く濃くなって
花束みたいに見えるんだ

11月になれば町中の
楓や銀杏も追いついて
街路樹は輝く高音のファルセット
赤 黄色 鳶色の彩りで
みんな一緒に季節を合唱するんだよ

そして

紅い実くりんとつややかに
鳥が啄む冬の頃
葉が落ちて裸になった細い枝は
スッと手を上げた指揮者みたいだ
花や葉が無くてもハナミズキは歌が好き

道路に落ちた光る実も
空を見上げて歌うんだ





22/10/10 21:01更新 / 香弥



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