ポエム
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エアリー(空気の精)
フィンランドの湖で妖精を見た

森の梢が音楽を奏で
風と光のロンドが響く
妖精はオーロラ色の衣(きぬ)をまとい
氷の上を滑りながら舞った

そこは静謐な神々しさに満ち
妖精の動きはバレエのように
止めどない水の流れのように
進んていく

ゆるやかな弧を描き
湖の端から端まで飛翔すると
優雅な指先から輝く糸が紡がれ
背中に銀のベールがひらめいた

音楽は走らず遅れることもなく
戯れるように共にある
妖精は神秘的な笑みを浮かべ
自然と溶け合い舞い続けた

この舞踏は何?
この音楽は?

誰かは知ってる
誰かは知らない

私は知った
舞踏の名は伝説
音楽の名は永遠

あの妖精は遠い星からの使者かもしれない
時の流れに沈まない
ただ一つの
たった一度の美しい舞を
舞うために降りて来たのか


フィンランドの湖には
エアリー(空気の精)がいる

春になっても
夏になっても
氷よどうか溶けないで
永遠(とわ)に舞い続けて
風と光に包まれて





22/08/05 22:41更新 / 香弥



談話室



■作者メッセージ
暑いので涼しい詩を。お読み下さりありがとうございます(^_^)

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